2007年10月01日

セラミドとは

 角層の細胞間脂質の約50%を占めるスフィンゴ脂質のことです。ヒト角層に存在するセラミドの種類と化学構造については、7種類の構造があることがわかっています。

セラミドは親油基と親水基を有しているため、水分を抱え込むことができます。

角質細胞間でセラミドの分子が一定の方向にすき間なく並び、セラミド層とセラミド層の間に水が保持されていると考えられます(ラメラ構造)

セラミドがラメラ構造を形成することで、角層は保湿機能とバリア機能を発揮することができるのです。

セラミドは表皮細胞の角化の過程で生成されますが、正常な角化が行われないと、その生成量は減少します。また、加齢とともに角層内のセラミド量は減少するため、高齢者ほど皮膚が乾燥しやすくなるのです。そして、セラミド量が減少すると、バリア機能も低下します。

2007年08月15日

界面活性剤の種類Ⅱ




陰イオン系界面活性剤



界面活性剤の系別を示す用語 界面活性剤の種類の名称を示す用語  
脂肪酸系(陰イオン) 

脂肪酸ナトリウム
脂肪酸カリウム
アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム  

直鎖アルキルベンゼン系  直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 
高級アルコール系(陰イオン)
アルキル硫酸エステルナトリウム
アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
アルファオレフィン系アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム 
ノルマルパラフィン系 アルキルスルホン酸ナトリウム 


 



 


非イオン系界面活性剤


界面活性剤の系別を示す用語 界面活性剤の種類の名称を示す用語  
脂肪酸系(非イオン) 
しょ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
脂肪酸アルカノールアミド
高級アルコール系(非イオン) ポリオキシエチレンアルキルエーテル
アルキルフェノール系 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 


 



 


両性イオン系界面活性剤




界面活性剤の系別を示す用語  界面活性剤の種類の名称を示す用語   
アミノ酸系アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム 
ベタイン系 アルキルベタイン  
アミンオキシド系 アルキルアミンオキシド 



 


陽イオン系界面活性剤


界面活性剤の系別を示す用語  界面活性剤の種類の名称を示す用語
第四級アンモニウム塩系 
アルキルトリメチルアンモニウム塩
ジアルキルジメチルアンモニウム塩 


 

2007年08月14日

界面活性剤の種類

 界面活性剤の脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウムなどのように、炭素原子を少なくとも8個含む脂肪酸または脂肪酸混合物のアルカリ塩(無機または有機)の総称を『石けん』と呼びます。
それ以外の界面活性剤を合成界面活性剤と呼びます。

界面活性剤は、水に溶かしたときに電離してイオンとなるイオン性界面活性剤と、イオンにならない非イオン(ノニオン)界面活性剤に分類されます。

イオン性界面活性剤はさらに、親水基の部分が陰イオンに電離する陰イオン(アニオン)界面活性剤。
親水基の部分が陽イオンに電離する陽イオン(カチオン)界面活性剤。
水に溶けたとき、アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質を、酸性領域では陽イオン界面活性剤の性質を示する両性界面活性剤に分類されます。

非イオン(ノニオン)界面活性剤は水に溶けたとき、イオン化しない親水基を持っている界面活性剤で、水の硬度や電解質の影響を受けにくい特徴があります。
非イオン系界面活性剤はエステル型、エーテル型、エステル・エーテル型及びその他に分類されます。

2007年08月13日

界面活性剤とは

 水と油をコップに入れ横から覗いたら水と油の境界が見えると思います。それを界面と言います。
界面とは、2つの性質の異なる物質の境界面のことです。 混じり合わない物質の間には、必ず界面が存在します。

界面活性剤は、この界面に働いて、水と油を混じり合わせることができるのです。

界面活性剤は分子の中に、水になじみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(親油基)があるため、水と油をつなげてしまいます。
また、界面活性剤は表面張力を低下させます。 表面張力というのは、水をスポイドでテーブルに垂らしたとき、水滴が丸まろうとする力(界面の面積をできるだけ小さくしようとする力)です。 この表面張力が小さくなると、水滴があまり丸まらずに広がるので、水が流れやすくなり、物を洗うためには都合のよい状態になるのです。
界面活性剤の濃度を上げていく(洗剤の量を増やす)と、表面張力がだんだん小さくなっていきます。
洗剤やシャンプーなどは、界面活性剤のこのような性質を利用して、油を含む汚れでも水で洗い流せるようにしています。

2007年08月12日

メラニン色素

メラニンとは、皮膚や毛、目の結膜などに存在する黒色の色素細胞のことで、人の皮ふの場合、基底層と呼ばれる部分に存在しています。
髪の毛の色や、肌の色を決めているのもこのメラニンの量なのです。色の黒い人ほどメラニンが多く、白い人ほどメラニンが少なくなっています。メラニンが多い人ほど紫外線の感受性が低く、少ない人ほど感受性が高いということです。
人の肌の色は人種によって大きく異なりますが、同じ人種でも個人差があります。

メラニン色素は、体を紫外線から守る大切な働きをしています。
もしメラニン色素がなければ、皮膚の奥深くまで紫外線が入り込み、紫外線による炎症などが起きやすくなってしまいます。また、紫外線による皮膚癌の発生も多くなってしまいます。

2007年08月11日

皮膚の構造Ⅲ

角層

角層は表皮細胞が角化して、一番外側のバリヤ-です。髪の毛や爪は角層の特別な形です。
ほぼ2週間で「垢」としてはがれ落ちます。このサイクルがうまくいかないと美しい肌を維持していることができません。
普通の所は5~7層で、足底や手のひらは、200層位あると言われています。皮膚の部位によって厚さが異なっています。足底や手のひらは、層が厚いため外用薬を使用するときは、強力なものを使用します。その為その部位に使うような薬を顔などの各層の薄い部位に使用したら、大変なことになることがあります。
角層は細菌やウイルス、アレルギーを起こすアレルゲンなど外界の敵から身を守るバリアとなります。また、体内の水分を調節する働きを持っています。


皮脂膜

 汗腺から出る汗と皮脂腺から出る皮脂が、皮膚表面で自然に混ざり合い、天然のクリームともいわれる皮脂膜ができます。角層のバリア機能を助けています。
毛のない手のひらや足の裏には皮脂腺がないため、手があれたり、かかとがカサカサになりやすいのです。また、皮脂膜は皮膚の表面をおおい、皮膚表面からの水分の蒸発を防いで、皮膚のうるおいとなめらかさを保っています。
 皮脂は思春期になると性ホルモンの影響を受けて分泌が活発になり、にきびの発生の原因となったりします。


皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)とは

 ターンオーバーとは、表皮の細胞が、皮膚の奥から表面へ押し出され剥がれ落ちるまでの代謝サイクルのことです。
身体の細胞は神経細胞をのぞき、健康な皮膚であれば通常28日間で新しい細胞に生まれ変わっています。
ターンオーバーは基底層で始まります。13日に1回細胞分裂を行い、1個はそのまま基底細胞にとどまり、残りの1個は性質や構造を変えながら、有棘層(ユウキョクソウ)・顆粒層へと押し上げられて行き、一番上の角層に達した細胞は核のない「角化」の状態になっています。更に上へと押し上げられ最後は角片(アカ)となり剥がれ落ちます。
メラニン色素も同様にターンオーバーによって脱落するため、夏に日焼けした肌も冬には元に戻どるいうことになります

2007年08月10日

皮膚の構造Ⅱ

真皮
厚さは約2~3mm程度で表皮の約10倍の厚みがあります。コラーゲンと、エラスチンの密な線維性結合組織からなり、血管や神経が分布しています。その隙間を水分をたっぷりと含んだヒアルロン酸などのムコ多糖類が埋めていて、肌に張りや弾力を与えています。表皮に接するところでは無数の乳頭が突出し、毛細血管や感覚神経がみられます。

皮下組織
多量の脂肪細胞(皮下脂肪)を有し、体を守るクッションや体温を維持する役目を果たします。皮下組織内を皮静脈、皮神経が走行します。

2007年08月05日

皮膚の構造Ⅰ

皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織の3つに分けられます。
表皮では、新しい細胞が古い細胞を表面に押し上げるようにして常に新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返しています。約4週間で上の層から剥がれていきます(これがフケや垢となります)。

表皮
皮膚の3層構造の最も外側にある、0.1~0.3mm程度の薄くて丈夫な層です。表皮も角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つから出来ています。表皮の外側の部分である角質層は、水をはじき、細菌やウイルス、その他の異物が体内に侵入するのを防いでいます。
表皮の表面はケラチンという丈夫な線維質のタンパク質でできています。これらの表皮上の死んだ細胞層がはがれ落ちると、下の層から新しい細胞が上へと押し出されるようにして上がってきます(ターンオーバー)。
表皮の最も内側の基底層には、メラニン細胞があります。メラニン細胞はメラニン色素を作り出し、メラニン色素は紫外線を吸収し、皮膚の色を変えます。

表皮にはランゲルハンス細胞という、皮膚の免疫機能にかかわる細胞もあります。この細胞は体内に侵入した異物を見つけ出す働きがあり、皮膚アレルギーの発症にも関係しています。

このターンオーバーの異常が尋常性乾癬と言われる疾患になります。

2007年07月30日

経皮毒とは

経皮毒とは、化学物質が皮膚のバリアーを通して、体の中に入り、蓄積され、人体に悪影響を及ぼすことを言います。

先日の独り言でも書いたように、学校の授業では習わないくらい最近でてきた言葉です。私もお袋から聞いた話ですが、テレビで特集が組まれるくらいだそうです。

経皮毒には色々な物質がありますが、私たちが日常使っているシャンプーや洗剤などの日用品などにそのような科学物質がが含まれています。ただ、一度使用したからといって、それがすぐ身体に悪影響を及ぼすものでもなく、長い期間をかけ身体に蓄積され、人体に影響を及ぼすものです。

因果関係ははっきりしていませんが、アトピーなどのアレルギー病や癌や不妊症などもこの経皮毒が大きく関係しているのではないかと考えられています。また、経皮毒になりうる化学薬品の入っていない日常品に変更した方の中で、そのような症状が改善したと言われる方もおられるようです。