ななしま薬局・そよかぜ薬局|長崎県長崎市・長与町

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屠蘇

2009-01-01

 屠蘇は中国の名医・華陀の創方といわれる屠蘇散を酒に漬けたものを屠蘇酒と言い、一年間の邪気を払い長寿を願って正月に呑む薬酒です。昔から、「悪鬼・疫病を治し、邪気・毒気を払うとされて、一人でこれを飲めば一家に疫なく、一家でこれを飲めば一里に疫なし、元旦にこれを飲めば一年間病気にかからない」と言われ、元旦の朝に飲むという中国古来の風習が伝わり平安時代に宮中にて用いられたのが後世に至って民間にまでおよび正月の祝酒とするようになりました。
屠蘇には「邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇(よみがえ)らせる」と言う意味があります。
一家揃って新しい年の出発にあたって無病息災、家運繁栄を得る儀式として、酒を用いて祝う風習が今日まで続いてきたものです。
飲む人の順には地域間で差がありますが、年齢の若い者から順に飲むのが正式だと聴いています。
これは中国の習慣からきたもので、年少者の若さを年長者がいただくと言う意味や年齢の若い者が毒味をするという意味があったと言われています。しかし日本では、明治もしくは昭和初期に家長から飲むことも行われるようになったようです。
屠蘇散の処方内容は、山椒の実の皮の部分・桂皮・桔梗・陳皮・白朮・防風など、身身体を温めたり、胃腸の働きを助けたり、あるいは風邪の予防に効くと言われる生薬を含みます。『本草綱目』では烏頭や大黄なども加えていたようですが、現在の処方には激しい作用の生薬は含まれていません。私が個人で作る場合は上記の6生薬に数種類の生薬を加えて香りの立つものを作ろうと毎年試行錯誤していますが、今年はとても良いものが出来たと信じて毎年作っています。

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