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坐薬

2007-01-03

 坐剤はラテン語のsuppositriumからきた名称です。エジプトにあるエルベス古文書には、紀元前1500年頃に薬物が、坐薬として直腸に適用されていたという記録が残されており、坐剤が初めて使用されたのは、紀元前2600年頃の古代エジプト・メソポタミアにおいてだそうです。当時の坐剤は現在のような形状ではなく、動物性脂肪に薬を溶かし、羊毛に吸着させたタンポンのようなものであったとされています。
 現在はヨーロッパを初め多くの国で使用されています。日本でも明治時代以後使用されはじめ、数多くの坐薬が子どもから大人まで使用されています。
 私が初めて病院に勤めた頃(昭和63年)の笑い話に、1週間前に痛み止めの坐薬が処方されたおばあちゃんがいました。再来時に坐薬の効果を確認したところ、「よく効いたよ」と言われ安心したのもつかの間、「よく効いたけど、あの薬は大きいし脂っこいね〜べたべたしたからみそ汁に入れて飲んだよ」と言われました。おばあちゃんは坐薬・・・座って飲む薬と勘違いされたらしく、食後に座って坐薬を口の中に入れたらべらべらしたので、ぞれが嫌でみそ汁に溶かして座って飲んでいたとのことでした。今でこそ笑いながら話せることですが、坐薬だから一般的に肛門から入れるものと知っているだろうと思いこみこんな失敗をしてしまいました。
 ある方からは坐薬の包装を剥かずにそのまま肛門に入れたと言う話を聞いたことがあります。
坐薬は、肛門や膣に入れる固形の薬です。坐薬は痔などの局所・鎮痛に使われるほか、直腸から薬を吸収させ炎症、嘔吐、痛み、熱発などの疾患にも使われています。これらの坐薬は、飲み薬と違い胃腸障害が少なく、食事に関係なくいつでも使えます。また、効き目が速いため、屯用としてよく処方されます。
  「解熱と吐き気止めの坐薬を二種類もらいました。どのくらいの間隔をあけて使用すればよいでしょうか?」「抗生剤の坐薬と熱冷ましの坐薬」「痙攣止めと解熱剤の坐薬」という患者様からの質問がありました。
 坐薬はお子様の場合2種類、3種類と処方される場合があります。それではどの坐薬からどの様な順番で使用するのが良いのかは、効果の違う坐薬を同時間帯に使用する場合、基剤(薬の成分を溶かしているもの、水溶性と油脂性があります)の違いによってそれぞれの吸収が遅くなったり、吸収できなかったりして期待する効果を得られない場合があります。違う坐薬を同時間帯に使いたい場合は、30分以上間隔をあけて挿入しましょう。
 例として
  ①ナウゼリン坐薬(水溶性基剤-成分は脂溶性物質)とアンヒバ・アルピニー・カロナールなどの解熱坐剤(油脂性基剤)の場合、ナウゼリン坐薬を先に入れて、30分以上経ってから解熱の坐薬を挿入します。
基本的に冷蔵庫で保管される坐薬は油脂性基剤、室温で保管されるものは水溶性基剤と考えて良いでしょう。
 ②熱性けいれん予防でダイアップ坐薬(けいれん止め・予防)を使用している場合、けいれんを起こさないことが先決なので、まず最初にダイアップ坐薬を使用して30分あけて、他の坐薬を使用してください。

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