ななしま薬局・そよかぜ薬局|長崎県長崎市・長与町

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11年前・・・

2008-09-06

 ちょっと昔を思い出してみました。
私は国立長崎中央病院で勤務していた頃、今処方していただいている河野先生と知り合いました。本当に気さくな先生で東2階病棟で一緒に仕事をさせていただいていた頃、ある飲み会で「そろそろ家を継ぐから自宅に戻らなければいけない、一緒に在宅医療をしよう」と誘われました。それが事の発端で、私も飲んだ勢いで「はい」と答えていたようです。
在宅医療といわれても、病棟業務しかしたことがない人間。ましてや薬局運営なんて全く知らない状況で、後からとても怖くなりました。でも約束は約束。諸先輩からいろいろ教えていただき開局準備を開始しました。
薬局の開設に関してはどうにか辿り着けても、約束の在宅医療について何も解りませんでした。
そんな時、同級生が佐世保で在宅をやっているという情報が入ってきました。その先生はあんず薬局の徳永先生です。
その先生が開局のことや在宅医療のことを教えてくれました。
ある日在宅医療の見学中、その先生は道ばたに車を止め「ちょっとすまんな」といって、車から降りていきました。山道の家などない道で何をしているのかと思うと、徳永先生は道ばたの花を摘んでいました。
その花を数本摘むと、また山道を走り出しました。
十数分走ったところに平屋のアパートがありそこに入っていくと、徳永先生は「おじゃまします。きれいな花があったから持ってきましたよ」とおばあちゃんに微笑みかけ、机の上にあった花瓶(牛乳瓶だったような)に花を生けました。
そのおばあちゃんの笑顔は今でも忘れることが出来ません。
私も国立病院でいろんなことを学んできたつもりだたし、やってきたという自負は持っていましたが、このT先生の行っていることをみて、自分の知らない世界を突きつけられた気がしました。
今でも私の在宅には徳永先生が行った行為が手本となっていますし、これが在宅医療の始まりではないかと思っています。

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