長崎薬剤師在宅医療研究会(P-ネット)
平成23年3月9日(水)長崎市にあるブリックホール会議室にて長崎薬剤師在宅医療研究会(P-ネット)の研修会があり参加してきました。
今回は私が講師を務めました。実は今回私にはちょっとした野望があって、自分がどこまで出来るかを試してみたかったんです。
どんなことをやりたかったかというと、プライマリーケア集中講座で講師をしてくれた石川先生のようなパフォーマンスをして、みんなが、少しでも考えつく研修会にすることでした。
この研修会の話が来た時に、世話人の中野先生に、単なる講演会ではなくグループセッションをしたいと申し出ました。
私の野望のスタートです。
資料を作り、準備万端なのですが、私の中にも不安があります。
今まで、講演という形で一方的に話を押しつけることは何度と無くやっていたのですが、フロアーとディスカッションしながらやる方法は初めてだし、シナリオを作ることも出来ないので、きちんとゴールに導くことが出来るか不安でした。
時間とは皮肉なもので、どんなに不安でも、興奮していても1秒1秒開始の時間は近づいてきます。
さて、待ちに待った開始の時間がやってきました。
期待とやる気120%で望みました。
まずは石川先生直伝の答えが重要ではなくて、話すカテゴリーが重要、自分と違う考えがあると言うことに気付かせることが重要を柱に、健康とは何か?今の自分が健康に過ごすために重要なトップ3、80歳で独居になった場合の健康に過ごすためのトップ3など、グループ討論をさせ、それを全体でまとめることをやりました。
私がみんなにたどり着いて欲しかったゴールは、患者さんのニードが自分のニードとは違って、それをはき違えると大きな間違えをする。物事には色んな切り口があるんだと言うことに気付くことを目標としました。
実際やっていると、ライブですし、シナリオもない訳だから脱線しかけたり、まとめきれなかったりと、本当に難しいと言うことを知ることが出来ました。
それをいとも簡単にやってのける石川先生は私の目標です。(当たり前ですよね年期が違うし。。。)
その後斑に1つ在宅の症例を渡し、患者のニードを考えた処方設計をしてもらいました。
予定より15分程度延長してしまったけど、どうにか無事に終わらせることが出来ました。
今回の勉強会でも、私が一番勉強させてもらいました。
皆さんありがとう!
またやりましょう~~~次はもっともっと上手になっておきます。
在宅ポスター
昨年長崎県薬が作成した「ご存じですか薬剤師の在宅」というポスターができあがり、長崎市の医院や薬局に配布されました。
ななしま薬局でもどこに貼ろうかと、スタッフと考えています。
今から高齢者や通院困難な患者さんが増える中、我々薬剤師も医療従事者として何が出来るか、どうしたら患者さんや家族が幸せになるかを考えながら、この在宅医療に取り込んでいきたいと考えています。
薬のことで困ったり、通院がなかなか難しいと感じられた方はこのポスターの貼ってある、医院・薬局で相談してみてください。
私の薬局にも貼っています
嬉しい話
ニュースで取り上げられているように、今長崎はインフルエンザが蔓延しています。
今日も外来にはタミフル・リレンザ・イナビルを求めて、多くの患者さんが来局してくれました。
使用方法や副作用などを説明していると、通常の風邪よりもどうしても時間がかかってしまいます。
それに加えて、薬剤師不足で午前中は外来にはまっていました。
それでも頑張って、やっと終わらせて在宅に出かけたのが14時頃
いつもよりかなり遅れての出発でした。
本来ならあらかじめ遅れる旨のことを電話をかけておかなければいけないのですが、バタバタしていてそれすら行えませんでした。
3件目に訪問した患者さん宅で「先生どうしたの?今日は来ないのかと心配しました」と私が訪問するなり手を握ってきました。
患者さんに遅れた理由を説明し謝罪をしたら、「先生が元気に来てくれたらそれでよかとよ」と言い、
「外は寒かったでしょう、美味しゅうなかけど、茶ば飲んで行かんね」とお茶まで入れていただきました。
自分の訪問が本当に利用者さんに為になっているのか不安を感じていたこの時期に、ホット心が温まるとても嬉しい出来事でした。
ちょっと恥ずかしいですが・・・・
平成22年11月14日(日)の地元の長崎新聞に「長崎市で在宅に取り組む薬剤師」に関する内容で
掲載されました。
自分を新聞で見ると、何と言っていいか判らない恥ずかしい気持ちになりました。
内科医の白髭先生を初め、多くの方より応援メッセージもいただき、大変嬉しく思っています。
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グリーフケア
「グリーフケアー」って何って質問がありました。
グリーフとは英語でGRIEF。直訳で深い悲しみ、悲嘆、苦悩、嘆き と言う意味があります。
身近な人と死別して悲嘆に暮れる人がたどる心のプロセス。悲しみから精神的に立ち直っていく道程。喪の作業。癒しの作業。を「グリーフワーク」と言います。
身近な人と死別して悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるようそばにいて支援すること。一方的に励ますのではなく、相手に寄り添う姿勢が大切といわれています。
遺族はやがて、故人のいない環境に適応して、新しい心理的・人間的・社会経済的関係を作っていきます。「グリーフワーク」を経ることで、人は人間的に成長するのです。
そのプロセスを支えて見守ることを「グリーフケア」と言います。
「グリーフケアー」と私も言葉だけは使っているのですが、上記に示した教科書的な事は出来ていないと思います。
実際は家族と会い故人の話をしたりしてしばらく一緒に同じ時間を過ごすことくらいしか出来ていません。
これで、故人を失った家族が精神的に立ち直るとは思えません。
このような精神的なサポートについては、薬剤師も、これから益々習得していかないと行けない領域だと考えています。