日本では子どもの誤飲事故が世界的にみても異常に高く、この中でもタバコが誤飲最も多く、全体の約1/3をしめています。子供はタバコが危険なものと知らないし、赤ちゃんや幼児は手にした物は何でも口に入れます。
タバコを食べてから30~4時間以内に吐き気・嘔吐・下痢・めまい・顔が青白くなる・頻脈などニコチン中毒の症状が出てきます。
しかし、飲み残した缶ジュースを灰皿代わりにしている場合、子どもがジュースと思い飲んでしまうと、ニコチンが大量に溶け出しており、高濃度のニコチンを摂取してしまうことになり、また水に溶けているので吸収が早く非常に危険です。絶対にやめてください。 量がはっきりしない場合や2cm以上食べた可能性がある場合は何も飲ませずに吐かせてみて下さい。舌を指やスプーンなどで押し下げて吐かせますが1~2度やってみて吐かない場合は無理をしないで病院へ行きましょう。
病院では胃洗浄(鼻や口から細いチューブを入れて胃の中を水で洗います)を行います。
食べたタバコが2cm以下なら何もしないで様子を見てください。
ニコチン中毒は30分~4時間程度で症状が出始めるため、4~5時間はお子さんの様子を観察していて、その間に何も症状がなければ問題ないと思います。もし嘔吐などの症状がでれば、病院を受診して下さい。
ニコチンの毒性
タバコ1本にはニコチンが約20mg含まれています。ニコチンの致死量は大人が30~60mg、乳幼児が10~20mgです。 ニコチン中毒の症状は、最初は吐き気や嘔吐、頭痛、めまい、顔面蒼白などの興奮症状。次第にけいれん、精神錯乱や意識障害、激しい腹痛と嘔吐が起き。最終的に血圧の低下、呼吸障害が起き死に至ることもあります。
ニコチンは水に溶けにくいので、そのまま飲み込んでも、量が少なければそれほど急激な変化はおきてきません。
しかし、タバコが浸った水は、すでにニコチンが説けた状態になっているので、急速に吸収され、少量でも危険な状態になります。
つまり、子どもはタバコ1本の半分程度のニコチンが体内に吸収されると、命を落としてしまうことになります。
タバコ誤飲の事故は子どもに責任はなく、大人の責任です。
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