ななしま薬局・そよかぜ薬局|長崎県長崎市・長与町

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在宅医療を始めるにあたって

2008-06-15

 在宅を始めるにあたって多くの先生方は何をして良いかわからないと答えられます。私も最初はそうでした。ではまず在宅を始めようと思ってもなかなか感じがつかめないと思うので、一度気になる患者さん宅に遊びに行ってみたらどうでしょうか?
外来で服薬指導を行ったとき「この人薬どうしてるのかなぁ」「ちゃんと飲めとらんよね」「糖尿の薬なのにたまにしか来とらんけどだいじょうぶやろうか?」と感じたことはありませんか?
そんな患者さんには「くすりあまっとらんですか?」と聞いても「どうやったかなぁ」とか「ちゃんと飲んどるよ」と返事が返ってきますが、それで納得できない患者さんって数人はいると思うんですよね。
 そんな患者さんに私は昼間に抜き打ちで患者さん宅に出かけます。「近くまで来たけん、顔ば見に来ました」と薬の話なんて何もせずに世間話をして帰ってきます。また2週間後くらいに顔を出してみます。
外来に来たときも「この前はおじゃましました」って言うくらいです。
何回かそれを繰り返したら患者さんの方から薬のことを聞いてきたり、色々話してくれるようになりました。それでも薬局では話してくれないようだったら、数回の訪問の時に残薬のことを切り出してみたらどうでしょうか。
ある患者さんのところでこれをやったら、「実は・・・薬があまっととさね」とゴミ袋2袋分くらい回収したこともあります。
ただ、在宅と違うのはこの訪問は訪問目的を患者さんに話しておらず、あくまでもコンプライアンスの確認とか信頼関係の構築と言うことは伏せています。話しても問題はないのでしょうが、患者さんにもプライドがあり、それを傷つけたくなかったからです。
「忙しいのに」とか「そんな一人に時間かけられない」とか言われそうですね。私たちは薬を使って、人とつきあっていると思っています。在宅とは外来よりももっとこの関係が強くなっています。今度お話ししますが月の訪問で5000円~14000円の収入を得ることが出来ますが、この関係なしに満足がいく在宅医療は出来ないのではないでしょうか。
もともとコミュニケーション力不足である薬剤師がこの問題をクリアーするためにはやはり、少しの努力が必要かと考えます。

喀痰の吸引カテーテルの消毒方法についてpart2

2008-05-30

喀痰の吸引カテーテルの消毒方法についてでもご紹介しましたが、内科医師と協議の結果気管内吸引チューブQ&Aに記載されているような7~8%エタノール添加0.1%塩化ベンザルコニウムを使用して吸引チューブを消毒し、吸引チューブの繰り返し使用を行うことのしました。
このHPにも記載されていましたが、エタノールを7~8%を含有することで、セパシア菌(Pseudmonas cepacia)等の増殖を抑えることが出来るとは知りませんでした。
また、目に見えた汚れの混入がなければ3日に1回の交換で良いと記載されていますが、医師との話し合いで2日に1回の交換で実施していくこととしました。

DOTSとは

2008-05-22

DOTS(ドッツ)とは、WHO(世界保健機関)で考案した方式でDirectlyObservedTherapyShort-couseの頭文字をとったもので、 日本語訳としては 「直接監視下短期治療」 もしくは、 「対面服薬確認治療」 です。
DOTSの目的はきちんと薬を服薬させて、多剤耐性菌の出現を防いだり、治療効果を上げるものです。DOTSは、
(1) 結核対策への政府の強力な取り組み
(2) 有症状受診者に対する喀痰塗抹検査による患者発見
(3) 少なくとも、全ての確認された喀痰塗抹陽性結核患者に対する、適切な患者管理(直接監視下療法)のもとでの標準化された短期化学療法の導入
(4) 薬剤安定供給システムの確立
(5) 整備された患者記録と報告体制に基づいた対策の監督と評価
の5つの要素からなりたつ 結核の戦略です。

薬剤師の在宅医療って?

2008-05-20

病院時代、私の恩師である内科の向原先生が一緒に患者さん宅へ連れて行ってくれ良く見学させてもらっていました。そんな私が在宅医療を始めて11年が過ぎようとしています。以前は医療のみで行っていた在宅が、平成12年の介護保険が制定されてからは介護保険と医療保険を使って行うことになりました。
同じことをするわけですが、医療は在宅訪問服薬管理指導、介護ならば居宅療養管理指導と名称が変わります。
現在医療保険での算定患者はおらず、全部が介護保険請求となっています。
先日ある先生と話していたら、「介護保険はサービスなんだよね!」と一言。確かに介護はサービスです。
居宅療養管理指導とは医療機関などから医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士が要介護者または要支援者の居宅を訪れ、療養上の指導やアドバイスを行うサービスの総称。
だから患者さんと契約をします。
毎日どこかの患者さん宅を訪問しています。なかなかゆっくり考え直す機会がありませんでした。契約するってことは、患者さんが満足しなかったら契約破棄されるってことですよね。
11年も過ぎると若干マンネリ化してきているような気がします。もう一度満足される在宅医療って何かと考え直したいと思います。

喀痰の吸引カテーテルの消毒方法について

2008-05-10

 医療法が改正されましたが、在宅の需要が増えたとはまだ実感できません。ただ、最近以前と変わったと感じる手技があったので紹介したいと思います。
私が国立病院にいた頃、吸引カテーテルは使い捨てでしたが、途中で個人のものとして一定期間は消毒して使うようになりました。その消毒方法として、吸引後は水道を吸引し、その後0.05%ヒビテン液を吸引し、0.05%ヒビテンアルコール溶液を含ませた脱脂綿で拭いた後、0.05%ヒビテン液に浸けておくと言う手技でした。
 
 昨年在宅で受け持った患者さんが病院を退院する際、退院時の説明で吸引カテーテルは喀痰吸引後水道水を吸引し、そのカテーテルをティッシュで拭き取り乾燥した瓶に入れ、乾燥させて次ぎまた使うというものでした。
日本看護協会ホームページの感染管理Q&Aに
http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/anzen/q&a.html
Q11.当院では吸引カテーテルを再利用している。ディスポが理想であることは分かっているが経済的な問題があり、各勤務対に1本ずつ使用することにしている。その場合の消毒方法はどうすればよいか。
A.期間吸引に使用する場合は無菌操作が原則ですので、滅菌された吸引チューブを使います。しかし、在宅療養において、やむを得ず再利用する場合には消毒剤に浸漬方法と、乾燥させて使用する方法があります。
と記載されていました。
ちょっと浦島太郎になった気分でしたが、在宅患者を迎える医療人としてもっと新しい情報を取り入れて研鑽していかなければいけないと感じました。
来週2名のIVH患者が退院し、在宅予定との依頼が来ています。今からどきどきで心配です。

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