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ビタミンB群

2003-09-17

ビタミンBの仲間にはB1・B2・B6・B12・ナイアシン・ビオチン・パントテン酸・葉酸の8種類があります。

 これらの8種類をビタミンB群とするかは、みんな体の代謝を円滑にする補酵素として働くからです。

■ビタミンB1
 ビタミンB1は糖質を代謝するときの補酵素で白米や糖分の摂取が多いほど、需要量が増加します。一般に白米や糖分の摂取が多い人はたんぱく質や緑黄色野菜の食べ方が少なく、B1が不足しやすくなっています。また、アルコールの代謝にも、ビタミンB1が必要で、あまり食事せずに飲酒する人では、B1の補給自体も不十分なので、意識的なB1摂取が必要です。また、B1にはアルコール依存症に見られるウェルニッケ脳症(記憶力低下、精神障害など)の予防治療効果があります。また、激しい肉体労働やスポーツをすると、ビタミンB1の消耗が進むことがわかっています。労働や運動の後に清涼飲料水やインスタント食品、パン、ご飯などを多くとると、さらにB1の需要が高まります。肉体労働やスポーツをする場合は、B1を十分に補給しましょう。






単位:mg/可食部100g 











































ほしのり  1.21 
豚肉(大型種・ヒレ)   0.98 
ごま       0.95 
豚肉(大型種・もも脂身つき)  0.90 
ボンレスハム  0.90 
大豆(乾)  0.83 
そらまめ  0.50 
そば粉(全層粉)  0.46 
玄米  0.41 
あわび  0.36 




(五訂日本食品標準成分表) 
■ビタミンB2
 ビタミンB2は成長促進作用をもっており、とくに成長期には、充分とる必要があります。また、ビタミンB2は皮膚や粘膜を健康に保つために必要です。不足すると皮膚炎、口内炎、口角炎を起こすことが知られています。
 ビタミンB2が結合して働く酵素は、動脈硬化の元凶とされる「過酸化脂質」の分解を促します。ビタミンB2にはコレステロール低下作用や、血液の固まりやすさを正常に保つ働きもあるといわれています。
ビタミンB2は、B1と並んで体内貯蔵が少なく、不足しやすいビタミンです。とくに高エネルギー食の人や妊娠・授乳期の女性、抗生物質服用時などは不足しがちです。ビタミンB2はたんぱく質とともにとると、効率よく体内で利用されます。







単位:mg/可食部100g 











































ぶた (肝臓)  3.60
アーモンド(乾)  0.92 
わかめ       0.83 
ずわいがに  0.60 
魚肉ソーセージ  0.60 
糸引き納豆  0.56 
ほんしめじ  0.50 
カマンベールチーズ  0.48 
全卵  0.43 
しそ  0.34 

(五訂日本食品標準成分表) 
■ビタミンB6
 ビタミンB6は、たんぱく質や脂質の代謝に重要な役割をはたしています。不足すると、目・口・耳・鼻の周囲の皮膚炎や、神経炎などを起こすことが知られています。普通の食生活を送っていれば不足しにくいビタミンですが、インスタント食品や外食に偏っている人は、十分な注意が必要です。
 女性の場合、妊娠・授乳中に、体内のビタミンB6が不足しやすくなります。一方、月経の1~2週間前に頭痛・イライラなど、種々の症状が出る月経前症候群の改善に、ビタミンB6が効果的であるという報告もあります。
 ビタミンB6の必要性は、以上の要因のほか、食生活の内容によっても左右されます。たんぱく質代謝に大きくかかわるビタミンB6は、食事中のたんぱく質が多い人ほど必要量が高まるので、体内のたんぱく質が正しく利用されるよう、ビタミンB6の摂取を心がけたいのもです。






単位:mg/可食部100g 











































にんにく  1.50 
牛肉(肝臓)   0.89 
かつお       0.76 
黒砂糖  0.72 
ごま(いり)  0.64 
若鳥肉k(ささ身)  0.60 
うるめいわし  0.55 
玄米  0.45 
そら豆  0.41 
バナナ  0.38 

(五訂日本食品標準成分表)

 
■ビタミンB12
 神経の機能維持に関与し、肩こり・腰痛の緩和に役立ちます。

 また、ビタミンB12はたんぱく質の代謝や、血液中の赤血球が作られる過程にかかわっており、不足すると貧血を招きます。 これは、鉄分の不足による貧血と区別して「悪性貧血」と呼ばれます。
ビタミンB12はビタミンB1やナイアシンなどとともに神経の働きにもかかわっています。

 ビタミンB12は動物性食品には広く含まれていますが、植物性食品にはほとんど含まれていないため、菜食主義者や、ダイエットのために野菜だけを食べているような人は、ビタミンB12不足の危険性が高まります。






単位:μg/可食部100g 











































しじみ  62.4
焼きのり  57.6
すじこ       53.9
牛肉・肝臓  52.8
あさり  52.4
いくら  47.3
牡蛎(かき)  28.1
うるめいわし  24.7
さんま  17.7
にしん  17.4

(五訂日本食品標準成分表)
■パントテン酸
 パントテン酸は、脂肪・糖質の代謝に関与し、妊婦・授乳婦などの方の栄養補給に役立ちます。普通の食生活なら欠乏しにくいビタミンですが、欠乏すると足が焼けるように痛みます。
最近では、パントテン酸が善玉コレステロールの合成にかかわることがわかってきました。

 パントテン酸の薬理作用として皮膚への作用が注目されています。 パントテン酸とアルコールを結合させたパンテノールをやけどや傷、おむつかぶれなどに塗布すると、回復を早め、組織を丈夫にする効果が認められます。

妊婦・授乳婦は出来るだけパントテン酸を摂取するよう心がけましょう。







単位:mg/可食部100g 











































乾ししいたけ 7.93
挽きわり納豆 4.28 
らっかせい (いり)     2.56
子持ちがれい 2.41
すじこ 2.40
うなぎ (養殖) 2.17
まつたけ 1.91 
モロヘイヤ 1.83  
まいわし 1.44
切り干しだいこん 1.40

(五訂日本食品標準成分表)
■葉酸
 葉酸は、ほうれん草のエキスから分離・抽出されたことからその名がつけられました。体内では、たんぱく質やアミノ酸の代謝に関係し妊婦・授乳婦など、たん白質の補給を多く必要とされる方に役立ちます。また、血液中の赤血球が造られる過程で、重要な働きをしています。

 葉酸が不足しにくいビタミンですが、不足すると未熟な大きい赤血球が現れる「巨赤芽球性貧血」になります。









 


単位:μg/可食部100g 











































生うに 360
えだまめ(ゆで) 260
モロヘイヤ 250
和種なばな(ゆで) 190
アスパラガス(ゆで) 180
そらまめ(ゆで) 120
ブロッコリー(ゆで) 120
ほうれん草(ゆで) 110
ライチ 100
いちご 90

(五訂日本食品標準成分表)
■ナイアシン
 ナイアシンはニコチン酸とも呼ばれ、細胞内の物質代謝に深くかかわるビタミンです。 末梢血管の血行を促進し、その部分の栄養障害を改善する作用ももつといわれています。

 皮膚の代謝に関与し、肌あれ・口内炎の緩和に役立ちます。

 ナイアシンが欠乏すると、皮膚・消化器・神経に異常が現れる「ペラグラ」という病気になります。現在の日本では、普通の食生活を送っていれば、欠乏症の心配はまずありません。
しかし、アルコールを常飲し、偏食する人は、充分な補給が大切です。









単位:mg/可食部100g 











































たらこ 49.5
うるめいわし(丸干し) 16.2
くろまぐろ(赤身) 14.2
するめ 14.1
ぶた(肝臓) 14.0
焼き豚 13.5
若鶏・ささみ 11.8
乾燥わかめ (素干し) 10.5
ぶり 9.5 
えのきたけ 6.8

(五訂日本食品標準成分表)

 

■ビオチン
 ビオチンはビタミンHとも呼ばれ、アミノ酸や脂肪酸の代謝、皮膚や神経、甲状腺などの維持に必要です。 欠乏すると皮膚湿疹、貧血、うつ症状などを招きます。
成人では不足しにくいのですが、乳児期にはときにビオチン不足による皮膚症状がみられます

動物の生の卵白を大量に与えると、ビオチン欠乏になり、皮膚の異常などがおこります。

ビオチンは皮膚・爪などの正常な角質化に必要です。 最近では、爪が弱くて割れたり、デコボコができやすい場合、ビオチンを補給すると効果的なことがわかってきました。
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